見た映画記録 - Nine days good
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見た映画記録






「薄氷の殺人」2014年中国・香港
中国北部で起こった連続バラバラ殺人事件を追う刑事と周囲に漂う女を描くクライム・サスペンス。
久しぶりの中国映画。中国の北の方の話なので、いつも白い息を吐いていてとにかく寒そうです。
それが独特な効果を出していますね。美しさゆえ人生が狂ってしまった主人公の女性が悲しくて寂しかった。
すごく上手な女優さんで「藍色夏恋」に出ていたグイ・ルンメイさんという方ですが、「藍色夏恋」は
好きな映画なのに誰だかわかりませんでした。...まさかの主役の女の子ですね。すごくきれいになっていました。
内容というか、お話は、実はよくわからない。伝わりづらい。お国柄なのか、理解が難しいです。
でも淡々とした中で急に目が覚めるような展開を入れたり、世知辛さや、寒さや、厳しさをユーモアで
コーティングという演出で、暗いけれどシャレていました。泥臭い演出とお話なのに、お洒落に感じました。
すごくユーモアも感じた。主人公の行動は・・・・ちょっと理解できなかった。演出がすごく上手でした。






「フォックスキャッチャー」2914年アメリカ
実際の事件を元にした映画、と名乗っていますが、実は映画の演出上変えている部分が多いようで、モデルと
なった人物からしたら気の毒なシーンが多いです。映画の核となる部分も変えています。
映画を観終わった後は「こんな事件があったなんて」とショックでした。
しばらく静かに感動しておりましたが、興味が出て事件を調べたらかなり現実と変えていて困惑しました。
事実です、と名乗っちゃいけないんじゃ...と思うほど核の部分を変えています。
それを知らない方が楽しめます。でも私は知ってしまったので。
アマチュアレスリングのロス五輪金メダリスト、マーク・シュルツがスポンサーを名乗り出た財閥の坊ちゃん
ジョン・デュポンの所有地でレスリングの練習を始めます。マークとデュポンは親交を深めますがレスリングは
不振になって来たところに今度はマークの兄で同じくレスリング金メダリストを呼び起こし、マークの心は
激しく揺れ、デュポンとの間に亀裂が入ります。事実を元にしているので、最後はどうなるかを私は知っていたので、
そこに行き着くまでがもうハラハラしました。チャニング・テイタムさんは好きな俳優さんで、こういう
デクノボー・・・と言う感じのぼ〜っとしたマッチョが本当に上手いし、似合いますね。
本人はもっと細やかで気の効くナイスガイですよね。







「セッション」2015年アメリカ
私、この先生一番嫌いなタイプで、こんな指導者に当たったら災難だなあ・・・という感想。
かなりスポ根もので音楽の世界ってこんなかなーと疑問です。演奏中に流血とか。
面白くなるように演出しているならわかるけどこれを見て「こんなの実際と違う」と音楽をやっている人は
思うかもしれません。
スポーツをやっているとコーチが人格を否定するようなことも平気で言うし(私が知っているだけでも
バカ!とかノロマ!とか、才能無いんだから辞めちまえ!とかは普通に言われる。それでもついて来ら
れる人だけ続けなさいという世界)傷つくことも多いけど、それはコーチが愛を持って言っているという前提で、
最終的には善人であると信じているから耐えられるのですが、この映画のようなオチだったら最低最悪というか、
でも学生時代に真剣に野球をやっていた人は最終的には野球が大嫌いになると聞くし、割とコーチという人種は
こういう人が多いのかもなーとちょっと蟠りました。
純粋に夢を持っている子どもを傷つける必要は特に無いのになーと思うんですよ。でもわりとこういうタイプの
指導者っていますよね、いつの時代になっても消えないですよね。M属性の人に需要があるのかもしれませんね。
音楽映画というよりかはスポ根もの、超個人的な、こじんまりスポ根ものですね。面白かったです。







「監禁〜レディ・ベンジェンス」2015年アメリカ
監禁された女性が逃げ出し、犯人に復讐する映画です。色々モヤモヤするんですけど面白かったです。
始まってすぐに主人公女性が犯人に反撃します。復讐が肝、の話なのです。この映画はそこを見せたいんです。
だから何で警察呼ばないの?とか色々、度々、モヤるところが多いんですけど、でも、そこさえ目をつぶれば
復讐劇として面白かったです。主人公が他に監禁されている女性を助けようとして失敗するのは辛かったですが、
本来ひ弱な筈の女の人が悪い男をバンバンやっつけるのはスッとしました。好きなタイプの映画です。








「彼女と博士のセオリー」2014年イギリス
理論物理学者のスティーヴン・ホーキング博士と彼の元妻の関係を描き出した伝記映画。
この映画で主演のエディ・レッドメインがアカデミー主演男優賞を受賞しました。
私、実は、エディ・レッドメインさんと言えばハリウッド版「幸せの黄色いハンカチ」の武田鉄矢の役を
やっていた印象が全てでしたが、ここまで役によって変えられるってすごいですよね。名優さんですよね...。
イギリスのおぼっちゃまだそうで。プロモーションで日本に来てウェンツと回転寿司を食べていましたが
育ちが良さそう〜な人です。レ・ミゼラブルも良かったです。
この映画は、わりと良心的だそうで、そこまで事実を変えていないようです。安心して見られます。
本当に良心的な映画、というイメージです。だからか、物語に引っかかりはありません。
美しい映像と感動的なお話が、するするするすると淀みなく流れて行っていつの間にか終わっていたという感じです。
今、乙武くんの不倫騒動が世間を賑わせていますが、やっぱり、周りの人が偉いですよね。
本人ももちろん大変だし辛いと思うのですが、奥さんや、周りの人が本当に偉いと思います。
奥さんは本当に大変だったと思う...。






「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」2014年イギリス・アメリカ
↑上のと同じ様な天才学者の伝記シリーズと申しましょうか。
数学者アラン・チューリングの人柄を主に描いた映画です。彼の初恋の話がですね、本当にせつないのです。
そのお話だけでもうこの映画を見た甲斐がありました。
イギリス軍がナチスの暗号機エニグマの解読に挑むチームを結成し、そこにアラン・チューニング
(ベネディクト・カンバーバッチ)や、のちに婚約するジョーン・クラーク(キーラ・ナイトレイ)がいると
いうお話です。解読がうまく行かず、日々努力を続けるところが面白かったです。
ふとしたきっかけで解読できてしまうんですよね。
アラン・チューニングの変人ぶりとカンバーバッチの演技とせつない恋のお話の映画でした。
「博士と彼女のセオリー」と比べて、感動、というよりはシニカルでせつないお話です。
アラン・チューニングの実物とは離れてますが、カンバーバッチはこういうやっかいな性格の人が
合っているので物語にハマっていました。